MTM04参加作品 「圧力センサーで水深を測ろう」の解説 [電子工作]
そもそも「圧力センサーで水深を測ろう」なんてタイトルは今決めた事なので、MTM04で私の所に訪れていただいた方は「なんのこっちゃ?」でしょうけれど、まあその辺はゆるゆるでお願いします。
制御部はこれですね。このまま説明してしまうと、左下に圧力センサーが有り、大気圧と、先を水の中に沈められたホース内の圧力との差分を出力します。
使用したセンサーはこれです。
http://www.freescale.com/webapp/sps/site/prod_summary.jsp?code=MPXx2010
型名はMPXV2010DPです。
ディファレンシャル出力、つまり2つの気室を隔てる壁がストレインゲージを構成していて、圧力差が発生すると抵抗値が変化すると。
このセンサーの両端に電圧を掛けておき、抵抗ネットワークからの差動出力を利用します。
しかし実際のところMPXV2010DPの出力はとても小さく、そのままではマイコンのA/Dコンバーターの分解能を下回ってしまいますので、圧力センサーの右隣にある計装アンプ(差動アンプ)で増幅してやります。今回は約84倍のゲインを掛けています。※当初はAVRでやろうかな!とか考えていたので、最大出力を1.1V近辺に想定していました。ですが絶対的な作業時間が無くなって来て、やっぱり使い慣れたHCS08でやる事となりました。
ところでこのセンサーの測れる最大は10KPaです。1気圧が約103KPaなので、このセンサーの場合は約1mの水深まで計れる事となります。
また感度ですが、センサーの資料では電源電圧が10Vの時は2.5mV/kPaとなっており、最大が25mV(typ)の出力となります。
今回の回路の場合、3.3V電源とそれを反転させたコンバーター(写真下側の調度真中)の出力(実測で-2.98V)をセンサーの電源として使っていますので、約6.3Vの電源電圧となります。センサーのデータシートにはレシオメトリックであると書かれていますので、それを元に計算すれば最大出力は約15.8mVです。
実際に実測してみると約13.1mVとなりました。計測の何処かに問題が有る筈なのですが、実はそれ程ゲインエラーは問題ではありません。
と言うのもMTM04への出品にあたり、メスシリンダー状のプラスチックの筒を用意しましたが、この筒に書いたメモリを基準にスケーリングを計算し直しています。A/Dのダイナミックレンジに対して極端に小さくならなければ計算で補正が可能と言う事です。
※そんなに精度を求めていませんしね。
計装アンプで増幅した出力はマイコン(写真右上)(MC9S08QG8)のA/D入力ポートでデジタルデータに変換されます。
サンプリング周期は5msとし、これを20個の移動平均を行って数値をASCIIコードに変換後、左上のXBeeにてグラフ表示を行っているARIESに送信するのが一連の動作です。
電源はアナログ側とデジタル側を別けて生成しており、写真右下に2つのレギュレータがあります。
大元の電源は、9V電池とかACアダプターから供給します。
※オリジナルのネタはFTF2009で行われたハンズオンセミナーです。結構良いデモだったのですが、これを見る人が極一部に限られてしまうのは勿体無いので、今回若干アレンジして展示しています。
制御部はこれですね。このまま説明してしまうと、左下に圧力センサーが有り、大気圧と、先を水の中に沈められたホース内の圧力との差分を出力します。
使用したセンサーはこれです。
http://www.freescale.com/webapp/sps/site/prod_summary.jsp?code=MPXx2010
型名はMPXV2010DPです。
ディファレンシャル出力、つまり2つの気室を隔てる壁がストレインゲージを構成していて、圧力差が発生すると抵抗値が変化すると。
このセンサーの両端に電圧を掛けておき、抵抗ネットワークからの差動出力を利用します。
しかし実際のところMPXV2010DPの出力はとても小さく、そのままではマイコンのA/Dコンバーターの分解能を下回ってしまいますので、圧力センサーの右隣にある計装アンプ(差動アンプ)で増幅してやります。今回は約84倍のゲインを掛けています。※当初はAVRでやろうかな!とか考えていたので、最大出力を1.1V近辺に想定していました。ですが絶対的な作業時間が無くなって来て、やっぱり使い慣れたHCS08でやる事となりました。
ところでこのセンサーの測れる最大は10KPaです。1気圧が約103KPaなので、このセンサーの場合は約1mの水深まで計れる事となります。
また感度ですが、センサーの資料では電源電圧が10Vの時は2.5mV/kPaとなっており、最大が25mV(typ)の出力となります。
今回の回路の場合、3.3V電源とそれを反転させたコンバーター(写真下側の調度真中)の出力(実測で-2.98V)をセンサーの電源として使っていますので、約6.3Vの電源電圧となります。センサーのデータシートにはレシオメトリックであると書かれていますので、それを元に計算すれば最大出力は約15.8mVです。
実際に実測してみると約13.1mVとなりました。計測の何処かに問題が有る筈なのですが、実はそれ程ゲインエラーは問題ではありません。
と言うのもMTM04への出品にあたり、メスシリンダー状のプラスチックの筒を用意しましたが、この筒に書いたメモリを基準にスケーリングを計算し直しています。A/Dのダイナミックレンジに対して極端に小さくならなければ計算で補正が可能と言う事です。
※そんなに精度を求めていませんしね。
計装アンプで増幅した出力はマイコン(写真右上)(MC9S08QG8)のA/D入力ポートでデジタルデータに変換されます。
サンプリング周期は5msとし、これを20個の移動平均を行って数値をASCIIコードに変換後、左上のXBeeにてグラフ表示を行っているARIESに送信するのが一連の動作です。
電源はアナログ側とデジタル側を別けて生成しており、写真右下に2つのレギュレータがあります。
大元の電源は、9V電池とかACアダプターから供給します。
※オリジナルのネタはFTF2009で行われたハンズオンセミナーです。結構良いデモだったのですが、これを見る人が極一部に限られてしまうのは勿体無いので、今回若干アレンジして展示しています。
センサ活用141の実践ノウハウ―実物写真と動作回路で素子の使い方を理解する (新コアBooks)
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- 発売日: 2001/05
- メディア: 単行本
MTM04参加作品 iPod Touchの親戚の「奏でるやかん」の解説 [電子工作]
タッチパネルの電極を構成するにはまず下地、つまり今回の場合は金属のヤカンが下地となって回路のGNDと結合しています。
この上に絶縁目的でカッティングシートを貼り付け、その上にリード線を半田付けした銅箔シートを重ねます。
さらにこの銅箔シートの上にやはり絶縁目的で(直接手で触ると言うズルをしない為)カッティングシートを張ると、タッチパッドの電極部分の完成です。
もしタッチパッドを実現する下地が金属ではない時は、一番下にリード線を半田付けした銅箔シートを対象物に貼り付け、それをGNDと接続する事で実現可能です。
ここで作成した電極はコンデンサーとなっています。
適当な抵抗を通してこのコンデンサに電圧を掛けるとコンデンサの両端の電圧は時間を掛けて上がって行きますが、その上がり方は抵抗値またはコンデンサの容量に比例します。
と、ここで人が電極を指で触ると、人の指には沢山の水分が含まれていますので誘電率の高い物質として働きます。コンデンサの容量は誘電率に比例しますので触る事で電極の容量が増え、その結果、より時間を掛けて電圧が上昇する事となります。
※ここでは抵抗は固定抵抗を使用します。
今回作成した回路の一部を以下掲載して置きます。
マイコンの2つのポート間を高抵抗(1.5MΩ)で接続しておき、その先を作成した2つの電極に接続します。C1とC2が電極を表しています。
1.まず2つのポートをL出力にして電極に溜まった電荷を抜きます。
2.16pin側のポートを入力に切り替え、15pin側のポートの出力をHとするとR1を通してC1に電荷が溜まり始め、電圧が上昇します。
3.16pin側の入力ポートがLからHに切り替わる時間を計測しておきます。
4.指が触っていない時に比べて触った時はLからHになるまでの時間が余計に掛かりますので、この時間差から触られた、触られていないを判断する事となります。
5.再び16pin、15pinのポートをL出力させてC1、C2に溜まった電荷を抜きます。
6.今度は逆に15pin側を入力に、16pin側をH出力として、やはりLからHに遷移する時間を計測します。
意外と簡単ですよね。
ただ実際にどれ位時間が掛かってLからHへの遷移が起きるかを予め知っておく事は難しいので、その辺はカットアンドトライとなります。
マイコンの起動時は電極に触られていないと言う前提で、何回か時間をサンプリングして平均時間を求めて、この平均時間から適当な時間長ければ触られたと判断する方法が良さそうです。
※温度等に対する安定性は保証できないので、例えばMTM等への出品で長時間運転する時は、適当なタイミングでキャリブレーションを行うと良いでしょう。
ちなみに今回のMTM04で2日間、一日中動かしましたが、特にキャリブレーションを必要とはしませんでした。
あ!、それで何でiPod Touchの親戚かと言えば、もう見てください。このクロームの輝き、タッチして操作するところ。iPod Touchそのままではないですか。「やかんだからpodではなくkettleだろ!」と言う突っ込みは無しで。
この上に絶縁目的でカッティングシートを貼り付け、その上にリード線を半田付けした銅箔シートを重ねます。
さらにこの銅箔シートの上にやはり絶縁目的で(直接手で触ると言うズルをしない為)カッティングシートを張ると、タッチパッドの電極部分の完成です。
もしタッチパッドを実現する下地が金属ではない時は、一番下にリード線を半田付けした銅箔シートを対象物に貼り付け、それをGNDと接続する事で実現可能です。
ここで作成した電極はコンデンサーとなっています。
適当な抵抗を通してこのコンデンサに電圧を掛けるとコンデンサの両端の電圧は時間を掛けて上がって行きますが、その上がり方は抵抗値またはコンデンサの容量に比例します。
と、ここで人が電極を指で触ると、人の指には沢山の水分が含まれていますので誘電率の高い物質として働きます。コンデンサの容量は誘電率に比例しますので触る事で電極の容量が増え、その結果、より時間を掛けて電圧が上昇する事となります。
※ここでは抵抗は固定抵抗を使用します。
タッチされた事を検出する手順
今回作成した回路の一部を以下掲載して置きます。
マイコンの2つのポート間を高抵抗(1.5MΩ)で接続しておき、その先を作成した2つの電極に接続します。C1とC2が電極を表しています。
1.まず2つのポートをL出力にして電極に溜まった電荷を抜きます。
2.16pin側のポートを入力に切り替え、15pin側のポートの出力をHとするとR1を通してC1に電荷が溜まり始め、電圧が上昇します。
3.16pin側の入力ポートがLからHに切り替わる時間を計測しておきます。
4.指が触っていない時に比べて触った時はLからHになるまでの時間が余計に掛かりますので、この時間差から触られた、触られていないを判断する事となります。
5.再び16pin、15pinのポートをL出力させてC1、C2に溜まった電荷を抜きます。
6.今度は逆に15pin側を入力に、16pin側をH出力として、やはりLからHに遷移する時間を計測します。
意外と簡単ですよね。
ただ実際にどれ位時間が掛かってLからHへの遷移が起きるかを予め知っておく事は難しいので、その辺はカットアンドトライとなります。
マイコンの起動時は電極に触られていないと言う前提で、何回か時間をサンプリングして平均時間を求めて、この平均時間から適当な時間長ければ触られたと判断する方法が良さそうです。
※温度等に対する安定性は保証できないので、例えばMTM等への出品で長時間運転する時は、適当なタイミングでキャリブレーションを行うと良いでしょう。
ちなみに今回のMTM04で2日間、一日中動かしましたが、特にキャリブレーションを必要とはしませんでした。
あ!、それで何でiPod Touchの親戚かと言えば、もう見てください。このクロームの輝き、タッチして操作するところ。iPod Touchそのままではないですか。「やかんだからpodではなくkettleだろ!」と言う突っ込みは無しで。
取り敢えずET最終日、私のお勧めブース [電子工作]
NECエレもなかなか良かったのですが、お隣のNECは本当に展示会らしい出展内容でした。
他社は製品のセールが中心ですが、ここは言ってみればハイテクピタゴラスイッチと言う感じで、面白いけれど実用になるの?、的な物も。
ETに行った際には是非。
詳細は後ほど。
他社は製品のセールが中心ですが、ここは言ってみればハイテクピタゴラスイッチと言う感じで、面白いけれど実用になるの?、的な物も。
ETに行った際には是非。
詳細は後ほど。
ET2009 ちょっとだけ報告 [電子工作]
今年もETが開催されている訳ですが、やはりこのイベントは好きなので、今年も行ってしまいました。
写真は撮って来ましたが、かなり私の個人的なバイアスが掛かっているのであくまでも参考までにどうぞ。
写真は撮っていないと言うか撮影禁止だったのですが、今年も健ちゃん節を聞いてきました。今年から基調講演ではなく特別講演なのね。TRONSHOW 2010もよろしく。
写真は撮って来ましたが、かなり私の個人的なバイアスが掛かっているのであくまでも参考までにどうぞ。
写真は撮っていないと言うか撮影禁止だったのですが、今年も健ちゃん節を聞いてきました。今年から基調講演ではなく特別講演なのね。TRONSHOW 2010もよろしく。
Make Tokyo Meeting 04 ネタ 「ARIES+XIO+MMA7260+HCS08+XBeeで自由落下を計測する」の前段 [電子工作]
OpenOCD フリスクJTAGデバッカー配付第二段 in MTM04 [電子工作]
ARM FORUM 2009 [電子工作]
別に開始直前に行った訳ではなく十分余裕を持って行ったのに、座る事が出来た位置はプロジェクターから遠い!。開始直前に来た人は別室に収容されていました。
あまりハイエンドな物や高価な開発ツールとはまったく縁がないので、今回のフォーラムでの最大の関心事は、同時に行われたインタフェース誌のARMのアプリケーションコンテスト作品です。
残念ながら表彰式前に帰ってしまったのでそれを見ることは出来ませんでしたが、受賞された方、おめでとうございます。
そうそう、ARMブースで行われていたデモ。最近はグラフィックLCDやタッチパネルをずーっといじっているので、やはり興味を惹かれます。
自分でやって結構苦労しているので、自分ではこんなに画像をグリグリできたり24fpsで動画を再生なんてとても出来ません。
一番最後の写真は巨大なタッチパネル付き画面上でグリグリしたデモをやっているところです。指2本で操作しているので抵抗膜式ではなさそうですね。
※準優勝(凄い!)されたNDS Hacksさんのページ
http://hkhacks.blogspot.com/
動画もあります。
圧力センサーMPXV2010DPを試してみる3 [電子工作]
※圧力センサーの購入は、チップワンストップさんからどうぞ。
そんな訳で(どんな訳だ?)圧力センサーからA/D(マイコン)直前までの回路を考えてみました。
この回路、一応負電源も扱っており、つまり一瞬でも出力に負電圧が出てしまう事を否定できないので、直列に抵抗を挿入し、クランプダイオードを入れて片電源で動かすA/D(マイコン)の保護を行っています。
もうベタベタのDCなのでこんないい加減な回路でもなんとなく動いちゃったりするのですが、、、。
INA128の資料
http://focus.tij.co.jp/jp/docs/prod/folders/print/ina128.html
をご覧になると判りますが、前段の2つのアンプで差動入力と増幅を受け持ち、後段のアンプは1倍のアンプとなっています。つまり差動入力側のRg側でゲインを設定し、REF端子はオフセットを決めます。
今回は0V~プラス方向しか使用しないのでREF端子はGNDに接続しています。
ただ、最終的には実際に動かしての実測からスケーリングやオフセットをプログラム上で設定する事となるでしょう。
そんな訳で(どんな訳だ?)圧力センサーからA/D(マイコン)直前までの回路を考えてみました。
この回路、一応負電源も扱っており、つまり一瞬でも出力に負電圧が出てしまう事を否定できないので、直列に抵抗を挿入し、クランプダイオードを入れて片電源で動かすA/D(マイコン)の保護を行っています。
もうベタベタのDCなのでこんないい加減な回路でもなんとなく動いちゃったりするのですが、、、。
INA128の資料
http://focus.tij.co.jp/jp/docs/prod/folders/print/ina128.html
をご覧になると判りますが、前段の2つのアンプで差動入力と増幅を受け持ち、後段のアンプは1倍のアンプとなっています。つまり差動入力側のRg側でゲインを設定し、REF端子はオフセットを決めます。
今回は0V~プラス方向しか使用しないのでREF端子はGNDに接続しています。
ただ、最終的には実際に動かしての実測からスケーリングやオフセットをプログラム上で設定する事となるでしょう。
センサ活用ハンドブック―色/明るさから距離/圧力まで14のターゲットを検出 (トランジスタ技術SPECIAL)
- 作者:
- 出版社/メーカー: CQ出版
- 発売日: 2007/07
- メディア: 単行本
センサ応用回路の設計・製作―実戦のための応用ノウハウを身につけよう
- 作者: 松井 邦彦
- 出版社/メーカー: CQ出版
- 発売日: 1990/05
- メディア: 単行本
圧力センサーMPXV2010DPを試してみる2 [電子工作]
※圧力センサーの購入は、チップワンストップさんからどうぞ。
前回までの話は、ゲインが嘘つきの3000倍ではなく440倍ですがそれでも十分大きい事と、負電源をどうしようとか、そんな問題がありましたので解決方法を検討してみました。
勿論負電源は必要なので、ここはお手軽に電圧コンバーターの登場です。前にキャラクタLCDでも使用したTC7660と言うマイクロチップの製品です。オリジナルはマキシムの7660なのかな?。
このTC7660と10μFのコンデンサ2個だけで負電圧を発生させる事が出来ます。一番上の写真の右側の8pinICがそれです。
負荷によって若干出力が小さくなってしまいますが、まあなんとかなるでしょう。
負電源が用意できたので、圧力センサーの接続も変更し、GNDとなっているところを負電源に接続します。
また、INA128にも負電源を供給します。
負電源を用意した事により、センサー出力もそれに応じて大きくなります。電源電圧を測ったところ、正電圧はほぼ3.3V、負電圧は2.98Vとなっていました。
ファンタグレープ500mlのペットボトルの底までホースを突っ込んだ時のセンサーの出力は約2.1mVとほぼ倍になっている事が確認できました。
最終的なA/Dの入力レンジを決定しますがそれは実際のところマイコンを決める事でもあり、今回はリファレンスに1.1Vを使用できるAVRをマイコンに選択するとすれば、16cmで2.1mVなので最大1mまで計測するとすればセンサーからの出力は、100/16*2.1で13.125mVとなり、A/Dの入力レンジの1.1Vをこの値で割ればゲインが求まると。
1100/13.125≒83.8倍
INA128のゲインは以下の式で求まるので、
ゲイン=1+50KΩ/Rg
50KΩを82.8で割って約604Ωですか。
下の写真はRg=600Ωとした時のINA128の出力です。テスターの精度とかオフセットエラーを含んでいる事を考えれば、まあこんな物ではないでしょうかね。
一応2.1mV*83.8≒176mVなので182.3/176*100は≒103.6で3.6%くらい誤差が出ています。
勿論負電源は必要なので、ここはお手軽に電圧コンバーターの登場です。前にキャラクタLCDでも使用したTC7660と言うマイクロチップの製品です。オリジナルはマキシムの7660なのかな?。
このTC7660と10μFのコンデンサ2個だけで負電圧を発生させる事が出来ます。一番上の写真の右側の8pinICがそれです。
負荷によって若干出力が小さくなってしまいますが、まあなんとかなるでしょう。
負電源が用意できたので、圧力センサーの接続も変更し、GNDとなっているところを負電源に接続します。
また、INA128にも負電源を供給します。
負電源を用意した事により、センサー出力もそれに応じて大きくなります。電源電圧を測ったところ、正電圧はほぼ3.3V、負電圧は2.98Vとなっていました。
ファンタグレープ500mlのペットボトルの底までホースを突っ込んだ時のセンサーの出力は約2.1mVとほぼ倍になっている事が確認できました。
最終的なA/Dの入力レンジを決定しますがそれは実際のところマイコンを決める事でもあり、今回はリファレンスに1.1Vを使用できるAVRをマイコンに選択するとすれば、16cmで2.1mVなので最大1mまで計測するとすればセンサーからの出力は、100/16*2.1で13.125mVとなり、A/Dの入力レンジの1.1Vをこの値で割ればゲインが求まると。
1100/13.125≒83.8倍
INA128のゲインは以下の式で求まるので、
ゲイン=1+50KΩ/Rg
50KΩを82.8で割って約604Ωですか。
下の写真はRg=600Ωとした時のINA128の出力です。テスターの精度とかオフセットエラーを含んでいる事を考えれば、まあこんな物ではないでしょうかね。
一応2.1mV*83.8≒176mVなので182.3/176*100は≒103.6で3.6%くらい誤差が出ています。
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圧力センサーMPXV2010DPを試してみる [電子工作]
※圧力センサーの購入は、チップワンストップさんからどうぞ。
元々はフリースケールの年一回行われるフォーラム、FTF2009でのハンズオンセミナー内で行われた物ですが、なかなか興味を引くものがあるので自分でも試してみる事としました。
購入はチップワンストップから行っています。
※MPXV2010DPはフリースケールに依頼すると無償サンプルを送ってくれるのですが、勿論それも申し込んでいますが、いつまで経ってもステータスがペンディングのままです。
フリースケールの在庫はDigi-Keyと連動するような気がしないでもないですけれど、そのDigi-Keyは現在在庫切れとなっていますので、本当に在庫が無いのかもしれません。
ペンディングが解消されるのを待っても良いのですがMTM04のネタの一つにしようと思っているので物が入らないと先に進めません。最後の頼みの綱であるチップワンストップさんに注文。こんなコアな部品でも即日発送は流石ですね。
さてMPXV2010DPの詳細はフリースケールのサイトに行ってデータ-シート等を読んでもらうとして、
http://www.freescale.com/webapp/sps/site/prod_summary.jsp?code=MPXx2010&fsrch=1
このセンサーの特徴は圧力差によって変形するピエゾ素子が内蔵されており、つまり圧力を抵抗値に変換しています。
変換率は10V動作時には1kPa辺り2.5mVの出力となるようです。
えーっと、Paなんて単位は滅多に使わないのでもう少し判り易い表現でいけば、Wikiを見ると1気圧が101.325kPaとなるようです。
このセンサーの最大入力は10kPaなので10/101.325気圧まで計測できると言う事ですか。まあ大体0.1気圧。
※勿論フリースケールの圧力センサーには感度で沢山の種類がありますので、もっと大きな圧力の計測もできます。
また型番の最後のDPはディファレンシャルポートの略だと思いますが、このセンサーには2つの口が用意されており、その2つの入力の差分を出力します。
※ポートが1つのタイプはゲージと呼ばれるようですが、その場合は比較対象が固定値(1気圧なら1気圧が保たれたチャンバー)になると言う事でしょう。
さてこのDPタイプを使って行うアプリケーションは水深の計測です。
片方のポートにはホースを付けて水の中に沈め、片方はオープンとしておきます。こうすると大気圧(1気圧ではない)と水深により発生する気圧との差分を出力する事となりますので、高気圧が来ても、台風が来ても一応水深は正確に計測できる事となります。
ところで1気圧は水の場合は水深10mに相当しますので、0.1気圧は1m。まあ大体風呂桶位の舛の水位を計測できると言う事ですか。
さて実際に動かして見ます。
センサーのデータシートの特徴の一つにレシオメトリックな特性となっていますので、つまり出力は電源電圧に比例すると言う事です。※まあセンサーが抵抗で構成されているので線形特性となるのは当然と言えば言えるのですが。
最終的にはどうしてもマイコンで取り込みたいので電源電圧は3.3Vとした場合、1kPa辺り約0.8mVですか。小さいですね。
試しに電源電圧を3.3V、ファンタグレープ500mlのペットボトルに水を満たして底までホースを突っ込んだ時の出力がテスターで1.1mV~1.2mVでした。水深は16cm位です。
ええっと、
0.16/10*101.325*0.8≒1.3mV
うーん、若干誤差が大きいような気がしないでもないですが、まあ1.2mVとした時なら1.2/1.3*100で92%とかですね。
出力が1mVではA/Dコンバータの1LSB以下になってしまいますので、このままではA/Dに入力できません。
入力レンジが3.3VのA/Dならばなんと3000倍もゲインを掛けないといけないので、ちょっとこれは大変ですね。
センサーの電源を10Vとすれば1000倍で済みますけれど(それでも1000倍!)、その場合に問題となるのがレシオメトリックな特性です。嘘です、そこまでゲインは必要ありません。1.2mVなら3300/(100*1.2/16)で440倍。
電源電圧が変動した場合、マイコン側でもその変動を知っておかないと間違った変換結果を出してしまいます。
色々考える事は多いですね。
と言う訳で次は既にテキサスインスツルメンツに頼んでおいた計装アンプ(INA128)の登場となるのですが、こいつが両電源を必要とするので、そこが悩みなんです。
余談!
センサーの出力は電源電圧のほぼ中点で振れますので、その点では使いやすいですね。
購入はチップワンストップから行っています。
※MPXV2010DPはフリースケールに依頼すると無償サンプルを送ってくれるのですが、勿論それも申し込んでいますが、いつまで経ってもステータスがペンディングのままです。
フリースケールの在庫はDigi-Keyと連動するような気がしないでもないですけれど、そのDigi-Keyは現在在庫切れとなっていますので、本当に在庫が無いのかもしれません。
ペンディングが解消されるのを待っても良いのですがMTM04のネタの一つにしようと思っているので物が入らないと先に進めません。最後の頼みの綱であるチップワンストップさんに注文。こんなコアな部品でも即日発送は流石ですね。
さてMPXV2010DPの詳細はフリースケールのサイトに行ってデータ-シート等を読んでもらうとして、
http://www.freescale.com/webapp/sps/site/prod_summary.jsp?code=MPXx2010&fsrch=1
このセンサーの特徴は圧力差によって変形するピエゾ素子が内蔵されており、つまり圧力を抵抗値に変換しています。
変換率は10V動作時には1kPa辺り2.5mVの出力となるようです。
えーっと、Paなんて単位は滅多に使わないのでもう少し判り易い表現でいけば、Wikiを見ると1気圧が101.325kPaとなるようです。
このセンサーの最大入力は10kPaなので10/101.325気圧まで計測できると言う事ですか。まあ大体0.1気圧。
※勿論フリースケールの圧力センサーには感度で沢山の種類がありますので、もっと大きな圧力の計測もできます。
また型番の最後のDPはディファレンシャルポートの略だと思いますが、このセンサーには2つの口が用意されており、その2つの入力の差分を出力します。
※ポートが1つのタイプはゲージと呼ばれるようですが、その場合は比較対象が固定値(1気圧なら1気圧が保たれたチャンバー)になると言う事でしょう。
さてこのDPタイプを使って行うアプリケーションは水深の計測です。
片方のポートにはホースを付けて水の中に沈め、片方はオープンとしておきます。こうすると大気圧(1気圧ではない)と水深により発生する気圧との差分を出力する事となりますので、高気圧が来ても、台風が来ても一応水深は正確に計測できる事となります。
ところで1気圧は水の場合は水深10mに相当しますので、0.1気圧は1m。まあ大体風呂桶位の舛の水位を計測できると言う事ですか。
さて実際に動かして見ます。
センサーのデータシートの特徴の一つにレシオメトリックな特性となっていますので、つまり出力は電源電圧に比例すると言う事です。※まあセンサーが抵抗で構成されているので線形特性となるのは当然と言えば言えるのですが。
最終的にはどうしてもマイコンで取り込みたいので電源電圧は3.3Vとした場合、1kPa辺り約0.8mVですか。小さいですね。
試しに電源電圧を3.3V、ファンタグレープ500mlのペットボトルに水を満たして底までホースを突っ込んだ時の出力がテスターで1.1mV~1.2mVでした。水深は16cm位です。
ええっと、
0.16/10*101.325*0.8≒1.3mV
うーん、若干誤差が大きいような気がしないでもないですが、まあ1.2mVとした時なら1.2/1.3*100で92%とかですね。
電源電圧が変動した場合、マイコン側でもその変動を知っておかないと間違った変換結果を出してしまいます。
色々考える事は多いですね。
と言う訳で次は既にテキサスインスツルメンツに頼んでおいた計装アンプ(INA128)の登場となるのですが、こいつが両電源を必要とするので、そこが悩みなんです。
余談!
センサーの出力は電源電圧のほぼ中点で振れますので、その点では使いやすいですね。
センサ活用141の実践ノウハウ―実物写真と動作回路で素子の使い方を理解する (新コアBooks)
- 作者: 松井 邦彦
- 出版社/メーカー: CQ出版
- 発売日: 2001/05
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センサ活用ハンドブック―色/明るさから距離/圧力まで14のターゲットを検出 (トランジスタ技術SPECIAL)
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