SSブログ

MTM04参加作品 iPod Touchの親戚の「奏でるやかん」の解説 [電子工作]

Img_1639.jpgタッチパネルの電極を構成するにはまず下地、つまり今回の場合は金属のヤカンが下地となって回路のGNDと結合しています。
この上に絶縁目的でカッティングシートを貼り付け、その上にリード線を半田付けした銅箔シートを重ねます。
さらにこの銅箔シートの上にやはり絶縁目的で(直接手で触ると言うズルをしない為)カッティングシートを張ると、タッチパッドの電極部分の完成です。

もしタッチパッドを実現する下地が金属ではない時は、一番下にリード線を半田付けした銅箔シートを対象物に貼り付け、それをGNDと接続する事で実現可能です。

ここで作成した電極はコンデンサーとなっています。
適当な抵抗を通してこのコンデンサに電圧を掛けるとコンデンサの両端の電圧は時間を掛けて上がって行きますが、その上がり方は抵抗値またはコンデンサの容量に比例します。

と、ここで人が電極を指で触ると、人の指には沢山の水分が含まれていますので誘電率の高い物質として働きます。コンデンサの容量は誘電率に比例しますので触る事で電極の容量が増え、その結果、より時間を掛けて電圧が上昇する事となります。
※ここでは抵抗は固定抵抗を使用します。


タッチされた事を検出する手順


今回作成した回路の一部を以下掲載して置きます。
singing_kettle_001.pngマイコンの2つのポート間を高抵抗(1.5MΩ)で接続しておき、その先を作成した2つの電極に接続します。C1とC2が電極を表しています。
1.まず2つのポートをL出力にして電極に溜まった電荷を抜きます。
2.16pin側のポートを入力に切り替え、15pin側のポートの出力をHとするとR1を通してC1に電荷が溜まり始め、電圧が上昇します。
3.16pin側の入力ポートがLからHに切り替わる時間を計測しておきます。
4.指が触っていない時に比べて触った時はLからHになるまでの時間が余計に掛かりますので、この時間差から触られた、触られていないを判断する事となります。
5.再び16pin、15pinのポートをL出力させてC1、C2に溜まった電荷を抜きます。
6.今度は逆に15pin側を入力に、16pin側をH出力として、やはりLからHに遷移する時間を計測します。

意外と簡単ですよね。
ただ実際にどれ位時間が掛かってLからHへの遷移が起きるかを予め知っておく事は難しいので、その辺はカットアンドトライとなります。
マイコンの起動時は電極に触られていないと言う前提で、何回か時間をサンプリングして平均時間を求めて、この平均時間から適当な時間長ければ触られたと判断する方法が良さそうです。

※温度等に対する安定性は保証できないので、例えばMTM等への出品で長時間運転する時は、適当なタイミングでキャリブレーションを行うと良いでしょう。
ちなみに今回のMTM04で2日間、一日中動かしましたが、特にキャリブレーションを必要とはしませんでした。

あ!、それで何でiPod Touchの親戚かと言えば、もう見てください。このクロームの輝き、タッチして操作するところ。iPod Touchそのままではないですか。「やかんだからpodではなくkettleだろ!」と言う突っ込みは無しで。



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。