xioを使ってみたい!と言う話 [SilentC]
xioの試作品を頂いたので、折角なのでマイコンと接続してなんか作ってみたい!と思っていました。
某コンテストへの参加作品としたかったのですが、、、。
作ってみたかった作品は、そうですね~、お年寄りだけで暮らしている家庭で、電気ポットにその使用状況をモニターし、お茶を飲む等で通常比較的頻繁に利用される物が、あまりにも使用されないでいると、何か問題が起きたと判断して別の場所に住んでいる家族に連絡する物はご存知かと思います。
テレビ番組で見たのですが、実際にこの電気ポットが役に立った話が紹介されていました。同様に冷蔵庫の開閉状況もモニターするタイプがあり、やはりこちらも使用状況から問題が発生したと判断され、お年寄りが保護された事も有るそうです。
どちらのケースも、これら装置が役には立ったのですが、しかしお年寄りが動けなくなってしまってから随分時間が経ってからの通報で、保護された時はかなり危険な状態でもありました。
つまり、電気ポットも冷蔵庫も役には立つが、通報までに時間が掛かる点が最大の問題だと思います。どちらのケースも足で動く事は出来ないけれど、倒れた時は意識ははっきりしているし、上体は動かす事ができたのですから。ただ、電話には届かなかった。電気ポットも冷蔵庫も電話も、お年寄りの傍には近づいてくれないですからね。
では通報装置自体が自立移動できれば良いのではないでしょうか!。別にロボットを使う話ではないです。ロボットが自立移動して昏倒しているお年寄りの傍に来るのは随分先の話でしょう。
そこでもっと身近な自立移動可能な物に着目してみました。
皆さん朝方とか夕方に近所を散歩してみてください。ワンちゃんと散歩しているお年寄りを沢山見かける事が出来るでしょう。最近はペットブームですし、核家族化が進んでいるので、子供が出て行った家庭でペットを飼う方が随分多いのです。
そうです、ワンちゃんなら自立移動は問題無いですし、犬は常に人間の行動を監視し、即座に行動を共にする事を本能として持っているので、このワンちゃんに緊急通報装置を持たせれば、動く事のできないお年寄りの傍に来てくれます(100%とは言えないけれど、確立は高いと思う。)。
しかし大型犬なら大きな装置を背中に搭載させても問題無いでしょうけれど、中、小型犬の場合は通報装置自体を小さくしないと携帯できないので、そこを何とかしなければなりません。
そこで着目したのがxioです。
まずxioはXBeeを搭載できるリチウムイオン二次電池を電源とするアダプターで、Gainer等で活躍されている小林様が作った物です。小林様は先日のMTM02でもArduinoを使った講義をされていましたし、xioを持ち込んでデモも行ったと言う話ですね。ことぶきさん
xioに搭載するXBeeは、単独でも動作できるし、マイコンとシリアル経由で接続しても動かす事ができます。
元々XBeeが使われるZigBeeは、電池で数年間フィールドからのセンサーデータをセンターに上げる様な使い方を想定しているので、無線の受信/送信以外の時は低消費電力で動く様にはなっています。
ただし、それでもXBee自体に低消費電力に入る様に設定を行わないと、この2450サイズのリチウムイオン電池でも2~3時間で電源が落ちます。
XBee単独で低消費電力にするには通常はSLEEPに入って置き、定期的に起床するモードを使用するかと思いますが、今回はマイコンとの接続なので、PINハイバネートと言う機能を使用します。
PINハイバネートはXBeeの通常はDTRの端子をON/OFFする事で、SLEEPに入ったり、アクティブになったりします。これはXBee専用のツールであるX-CTUで事前に設定しておきました。また面倒の無い様、送り先アドレスはコーディネーターを指定しています。
マイコンにはフリスクのHCS08QG8を使いました。最近出たHCS08QE8の方がもっと低消費電力且つ機能が多いのですが、手持ちのDIPマイコンではQE8の在庫が少ない為、QG8の採用となっています。前にこれで電池駆動の時計を作っていますし、QG8でも結構低消費電力化できる事は確認しています。
http://hamayan.blog.so-net.ne.jp/2007-09-30
今回は、RTCで1秒置きに起床するのと、キーボード割り込みを使って起床する事で、通常はスタンバイに入って置き、電力の消費を抑えています。この状態なら、一日動かしっ放しにしてもまだまだ電源に余裕が有りました。
XBeeとの接続以外の入出力は、緊急通報用の押しボタンスイッチと赤色LED、これらは別基板としてワンちゃんの首輪にぶら下げる形となります。たいした物を搭載しないので、ペンダント位の大きさになるでしょう。
それにブザーをマイコン側の基板に搭載しておきます。
xioは電池電圧を計れる様に基板上に抵抗を実装できるスペースが用意されていますので、電池電圧モニターとしてアナログ入力を1本使用しています。
これくらいですか、小型犬でも負担にならない程度にしないといけないので、あまり欲張って機能を追加してもいけない。
本体基板は、ワンちゃん用ベストにポケットを付けて、そこに収容する形となります。
通報装置は無線で異常を送るだけですので、この無線を受ける装置が当然必要となります。そうですNET SET RADIOの出番です。NET SET RADIOはNET WORK STICKとMP3デコーダーIC、それにXBeeを搭載できる基板ですので、ここにXBeeのコーディネーターを搭載し、通報装置からの受信を行い、問題発生時には予め登録されたメール先にメールを送信します。
また通報装置自体はタイマーで定周期で起床し、電池電圧のモニターを行い、NET SET RADIO側に定期報告をします。本体側の電源電圧が落ちて稼動不能になる前に警告を発する為です。また定期報告が来ないと、やはり装置に問題が発生したと判断できます。
もちろんこの無線を使った通報装置だけでは完璧とは言えないでしょう。やはり電気ポットや冷蔵庫等と併用して利用する事が肝心だと思います。
※xioへの充電はUSBケーブル経由で行えます。
※小林様、有難うございました。
某コンテストへの参加作品としたかったのですが、、、。
テレビ番組で見たのですが、実際にこの電気ポットが役に立った話が紹介されていました。同様に冷蔵庫の開閉状況もモニターするタイプがあり、やはりこちらも使用状況から問題が発生したと判断され、お年寄りが保護された事も有るそうです。
どちらのケースも、これら装置が役には立ったのですが、しかしお年寄りが動けなくなってしまってから随分時間が経ってからの通報で、保護された時はかなり危険な状態でもありました。
つまり、電気ポットも冷蔵庫も役には立つが、通報までに時間が掛かる点が最大の問題だと思います。どちらのケースも足で動く事は出来ないけれど、倒れた時は意識ははっきりしているし、上体は動かす事ができたのですから。ただ、電話には届かなかった。電気ポットも冷蔵庫も電話も、お年寄りの傍には近づいてくれないですからね。
では通報装置自体が自立移動できれば良いのではないでしょうか!。別にロボットを使う話ではないです。ロボットが自立移動して昏倒しているお年寄りの傍に来るのは随分先の話でしょう。
そこでもっと身近な自立移動可能な物に着目してみました。
皆さん朝方とか夕方に近所を散歩してみてください。ワンちゃんと散歩しているお年寄りを沢山見かける事が出来るでしょう。最近はペットブームですし、核家族化が進んでいるので、子供が出て行った家庭でペットを飼う方が随分多いのです。
そうです、ワンちゃんなら自立移動は問題無いですし、犬は常に人間の行動を監視し、即座に行動を共にする事を本能として持っているので、このワンちゃんに緊急通報装置を持たせれば、動く事のできないお年寄りの傍に来てくれます(100%とは言えないけれど、確立は高いと思う。)。
しかし大型犬なら大きな装置を背中に搭載させても問題無いでしょうけれど、中、小型犬の場合は通報装置自体を小さくしないと携帯できないので、そこを何とかしなければなりません。
そこで着目したのがxioです。
まずxioはXBeeを搭載できるリチウムイオン二次電池を電源とするアダプターで、Gainer等で活躍されている小林様が作った物です。小林様は先日のMTM02でもArduinoを使った講義をされていましたし、xioを持ち込んでデモも行ったと言う話ですね。ことぶきさん
xioに搭載するXBeeは、単独でも動作できるし、マイコンとシリアル経由で接続しても動かす事ができます。
元々XBeeが使われるZigBeeは、電池で数年間フィールドからのセンサーデータをセンターに上げる様な使い方を想定しているので、無線の受信/送信以外の時は低消費電力で動く様にはなっています。
ただし、それでもXBee自体に低消費電力に入る様に設定を行わないと、この2450サイズのリチウムイオン電池でも2~3時間で電源が落ちます。
XBee単独で低消費電力にするには通常はSLEEPに入って置き、定期的に起床するモードを使用するかと思いますが、今回はマイコンとの接続なので、PINハイバネートと言う機能を使用します。
PINハイバネートはXBeeの通常はDTRの端子をON/OFFする事で、SLEEPに入ったり、アクティブになったりします。これはXBee専用のツールであるX-CTUで事前に設定しておきました。また面倒の無い様、送り先アドレスはコーディネーターを指定しています。
マイコンにはフリスクのHCS08QG8を使いました。最近出たHCS08QE8の方がもっと低消費電力且つ機能が多いのですが、手持ちのDIPマイコンではQE8の在庫が少ない為、QG8の採用となっています。前にこれで電池駆動の時計を作っていますし、QG8でも結構低消費電力化できる事は確認しています。
http://hamayan.blog.so-net.ne.jp/2007-09-30
今回は、RTCで1秒置きに起床するのと、キーボード割り込みを使って起床する事で、通常はスタンバイに入って置き、電力の消費を抑えています。この状態なら、一日動かしっ放しにしてもまだまだ電源に余裕が有りました。
XBeeとの接続以外の入出力は、緊急通報用の押しボタンスイッチと赤色LED、これらは別基板としてワンちゃんの首輪にぶら下げる形となります。たいした物を搭載しないので、ペンダント位の大きさになるでしょう。
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※小林様、有難うございました。
ZigBeeセンサーネットワーク―通信基盤とアプリケーション
- 作者: 阪田 史郎
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- 発売日: 2005/07
- メディア: 単行本
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- 作者:
- 出版社/メーカー: CQ出版
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2008-11-11 11:42
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コメント(7)
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お年寄りの家にインターネットがつながっていないというのが普通という点から出発する必要があるかも。
by ぼのぐらし (2008-11-11 12:46)
(笑)まあそれは、電気ポットにも冷蔵庫にも言える事なので。
それにお年寄り自身が用意するのではなく、心配な家族が用意したり、業者がやったりとかで解決でしょう。
電気ポットも冷蔵庫も、テレビで紹介された件は、直接家族に連絡が行くのではなく、業者のセンターに行ってから、家族に連絡が行っていました。
by hamayan (2008-11-11 13:02)
はい。実際はそうなると思います。
個人的には、自分の親に色々やりたいと思っているのですが、
遠方だと、回線の変更契約、プロバイダ契約、故障の際の対処、
費用負担、などなど、
現実の問題が山積しているのです。
サービス利用は、それらの問題が解決されている前提で話が始まりますが、実は、その前で頓挫しているのが現実です。
つい、自分の問題に引きつけて書いてしまいました。
hamayanさんのアイディアにけちを付ける趣旨ではございません。
by ぼのぐらし (2008-11-11 14:25)
私も親とは別々に住んでおりますが、やはり年とってしまっているのを見るとちょっと不安で、こう言ったサービスが必要なんだろうな!と思っています。
僅かな事ですが、それでも安心、安全に繋がれば良いのかなと思います。
by hamayan (2008-11-11 14:31)
うちの親は人の言うことを聞かないので頭の固い老人ですね
歳をとってバイクに乗ってると事故を起こすからやめるように
言ったのにその後、3回事故を起こしました。
あまりひどいのでバイクは私が没収しました。
歳をとって介護の仕事で夜勤をしていたのでからだに負担が
大きく、足や腰を痛めると生活すらできなくなるよと強く言ったのに
やめずにその後、足を痛めて仕事をやめました。
歳をとると戸建ては2階があるのでマンションにするように言ったのに
戸建てに住んで2階がつらいようです。
1人暮らしがいいと自ら1人暮らしをしているのですが
やはり誰かいないと心配なので見合いでもするように
言ってるのですが無理のよう
ここまでして孤独死になっても自業自得なのでもう
好きなようにすれば…と、言う感じ…
by きぃたん (2008-11-11 17:08)
最近は、介護用品の購入とか、独居老人の防犯設備に補助出すところがありますが、インターネット回線のみ繋ぐ場合も補助対象にして欲しいと思います。
頑固な親は、なんとか黒電話ではないという程度です。
まあ、すぐ近くにいるので、毎日覗くこともできるのですが、例のポット程度なら要らないと言うくらいですね。
いつぞやのニュースで、自宅に侵入した泥棒をwebカメラで見つけ、警察に通報して逮捕したという話を聞きましたが、たしか、本人は別の大陸に居た話だったと思います。
そうするためには、どちらの場所も常時ネットに繋がっている必要がある訳で、それが簡単にできるのはうらやましいなと思った記憶があります。
接続料よ、安くなれ。
by DAI (2008-11-11 20:22)
皆さん、大なり小なり、似た悩みをお持ちのようで、少し安心しましたというか、高齢化社会の共通問題なのでしょうか。
by ぼのぐらし (2008-11-11 22:51)