いけているぜ!P板.com [プリント基板設計]
最近は何故か基板ばかり作成しています。
そんな私の強い見方がP板.comです。
P板.comは法人だけでなく、個人も取引してくれますので、公私で利用しています。
世間ではもっぱらEAGLE+OLIMEXの組み合わせが情報として沢山紹介されています。が!、ぐぐってみても個人でP板.comを紹介している所はあまり見当たらない(業界ニュースみたいなのは沢山有ります。個人のページはグーグルの6ページまで行って、捜すの飽きました)ので、まあ電子工作関連のサイトの一つくらいP板.comを扱っても良いでしょう!ってな感じで紹介していきます。
費用について
さて、P板.comの価格の安さは登場した時びっくりしました。まじめにイニシャル70%OFFですから。普通に国内の基板屋さんに基板製作の依頼を行うと、両面板ですら十万円~となります。まあ設計代無しとしても、フィルム代、シルク版代、作画費、ドリルデータ費用等などで10万円を切る事は無いです。フィルム代だけで5、6万円ですから。
もっともこれよりもOLIMEXの方が安かったりするのですが、その辺の比較は後ほど。
安い、安い!と言っているP板.comでは、基板製造コストを簡易的に見積もりする機能がサイトに有りますので、以下の条件の基板を見積もりしてみましょう。
条件!
- サイズ:100mm×160mm(このサイズはOLIMEXのDSSと同じ)
- 層数:2層(両面板)
- シルク色:白(標準)
- レジスト色:緑(標準)
- シルク:部品面のみ
- その他:銅箔厚、基板厚は標準
- 特注:無し
- 枚数:1
- 納期:5日間コース
が!、ちょっと待って下さい。枚数を3枚、6枚と増やして簡易見積もりを行ってみましょう。
また、基板の元になる材料はサイズが決まっており、例えば1m四方とかのサイズですが、この材料から効率良く基板を取り出す方が、より単価を下げる効果があります。(「何枚基板が取れるか?」を取り枚数と呼んでいます。基板のサイズを工夫する事で、例えば5mm小さくすると取り枚数が増えるとかは、基板製作時の微妙なテクニックです。) そこで基板製作の裏技として面付けというのが有ります。 先程の条件を変更します。具体的には基板サイズを大きくして4面付けとし、特注としてVカット(面付けした基板間にV字型の溝を入れてもらう処理。基板が届いたら自らメシッ、メシッっと折って分離する)を入れてもらう事とします。 変更点だけを挙げると
- サイズ:200.5mm×320.5mm(0.5mmはVカットの幅の分)
- 特注:有り(Vカット)
- 枚数:1
作成する基板の枚数が1枚、2枚の時は、OLIMEXのDSSが諸費用別で33ドルなので、これは費用の観点からは圧倒的にOLIMEXの方が安いですね。
しかし複数枚必要となると、P板.comが費用の点でも利用するメリットが見えてきます。(※それ以外に、P板.comでは穴の数や穴の種類、ドリル径で製造コストが上がる事はありません。穴開け放題です。)
また費用を別にして利用する観点から見ると、日本語が通じるのが圧倒的なメリットを有します。だって、日本語で聞けるし、登録した基板データに問題が有れば日本人スタッフが電話してきてくれるし、なにより判らない事があれば親切丁寧に教えてくれます。
ところで面付けですが、OLIMEXでは、DSSサイズに満たないガーバーデータの場合、自動的かどうかは判らないけれど向こうで適当に面付けしてくれるそうです。このサービスは有り難いですね。ユーザーにとっては、無駄を少なくする事が出来ます。
実はP板.comでも最近アナウンスされたのですが、異種のガーバーデータを5種類まで無料で同一基板に面付けするサービスを開始しています。多分前から相談すればやってくれたサービスだと思いますが、それを一般に公開しました。(※勿論層数は一致させる必要が有る。)
実はこのサービスが開始する前から個人的に異なる種類のパターンを同一基板に展開してやっていました。
その方法は、回路CADでNETリストを作成する際に、異なる回路同士の部品番号が重ならない様に割付をし、NETリストをCADLUS Xに展開して異なるパターンを描き、その間にVカット用の外形図を入れていました。
もうこれからはこんな面倒な方法を取らずとも、異種ガーバーデータを面付けできます(いや、無償でやってもらえます)。
基板について
P板.comのサービス開始当初は、作成できる層数は4層まででしたが、最近は8層まで対応しています(CADLUS X2では8層まで設計可)。更に取り扱える基板サイズも先程書いたように400mm×400mmで、もう特殊な基板以外の点では死角が無いですね。なおTOPの写真の様な変わった形の基板も作成できます。
品質について
基板を注文する前には必ずP板.comの製造資料に目を通しておく必要がありますが、特徴を挙げると、最小パターン幅0.15mm、最小ギャップ0.15mm、最小VIA径0.3mmです。この前ピンピッチが0.4mmのデバイスを実装した基板をEAGLEで設計してOLIMEXに出そうと思ったら、最小パターン、最小ギャップに0.2mmが必要だったのでデザインルールで引っかかってしまい、設計できませんでしたorz。で、CADLUS Xで設計してP板.comに出した事もありました。
実際の精度に関しては、両面板と4層板を設計した事がありますが、両方とも品質は問題無いのですが、どちらかと言えば4層板の方が精度が高い印象が有ります。 両面板の例えばランドの中のドリルの位置とか、レジストのずれとかは、一応許容範囲ですが、4層板はぴったり納まっています。
あと、料金の中にはチェッカーの代金が含まれています。出荷される基板は全てチェック済みです。チェッカーが有るのと無いのではえらい差が有りますね。 (※と言っても、フライングチェッカーなので完璧とは言えません。その辺は知っておく必要が有るでしょう。)
P板.comの個人での利用方法
個人的に多品種、複数枚の基板を作成するなら、先程の異種ガーバーデータの面付けサービスを利用すれば、より安く基板を製造できるでしょう。少品種、数枚の基板ならOLIMEXが良いでしょう。
少品種、複数枚の場合は?。
「ガーバーデータ乗合の会」とか如何ですか?。一人で作成するとなると、なかなか始められなかったり、ユニバーサル基板で我慢したりとなってしまいますが、P板.comでオリジナルの基板を、可能な限り安く作りたいとなったら、同一基板に乗合で面付けすれば、個人の負担を減らす事が出来ますよ。
興味の有る方はコメントにでも書いてください。
また賛同者でCADLUS Xを初めて使う方に限り、CADLUS Xの使い方関する質問を判る範囲でお答えします。
設計、製造、部品の入手に関して
回路設計、P板設計(CADLUS X)、部品手配、実装等、貴方の苦手な仕事を代わりに行います。どうぞ宜しく。追伸 納期について
例えば両面板の場合は、2、3、5日コース(但し営業日)があり、登録したデータに問題が無ければ予定された期日の夕方くらいに佐川に引き渡されます。だから5日間コースの場合は間に土日を挟んで、更に配送に掛かる時間も入れると8日程度で基板を入手できます。しかしこの納期が遅いかと言えばそんな事は無く、十分早いと言えます。注文請けが送られて来て、そこに発送納期が書かれていますが、少なくとも私が利用した限りでは、今までこの納期が守られなかった事は無い事も評価できます。
2006-11-09 00:58
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hamayanさん、こんにちは。
最近は力作そろいで、感心して拝見しておりました。
さて、自分の欲しいプリント基板を製作したいのですが、
なかなか発注するまでには至りません。
可能なら、「ガーバーデータ乗合の会」に参加したいと
思います。
現在、「USB Bit Whacker」の基板を作成したいと
思っています。
その節はどうぞよろしくお願いいたします。
by senshu (2006-11-11 10:16)
お世話になっています。
senshuさんお待ちしています。
多分CADLUSのデータでなくとも、ガーバーデータでも面付けしてくれるかと思います。
実作業に入る前に、事前に希望される基板の層数や大きさ等教えて下さい。
by hamayan (2006-11-13 21:47)
「USB Bit Whacker」と言うのがよく判らなかったのでぐぐって見ると、USB内蔵のPICなのですね。
マイクロチップにしろ、アトメルにしろ、今月号のトラ技のサイプレス(PRoC)にしろ、8bitマイコンメーカーが頑張って面白そうなデバイスを次々送り出している所は、国内メーカーにも見習って欲しいですね。
折角なので色々なバージョンの基板をぺたぺたと貼って作っちゃいましょう。楽しみです。
by hamayan (2006-11-13 21:54)