SSブログ

簡単ファイルシステム評価ボード ALFATを使ってみよう! 其の一 [ALFAT]

※注意!
これからこのブログを書きながら最終的なハードウエアデバック、アプリケーションソフトウエアの構築に入ります。なので、写真や文章と実際の製品では異なる部分が出る可能性が有ります。その点をご了承下さい。

近々の話ですが、マルツ電波で発売される簡単ファイルシステム搭載マイコンボード(基板サイズ150mm×100mm)のプレビューを何回かに別けて紹介します。
このマイコンボードの特徴を説明しますと、従来は使用するマイコンにソフトウエアでファイルシステムを構築する事で様々な記録メディアを取り扱うようにして来た訳ですが、その場合の問題点としてまず実用的なファイルシステムの構築にはそれなりのソフトウエアのスキルが必要である事。もしこの部分をミドルウエアと言う形で購入するとなるとそれなりの値段(多分最低でも50マン)を支払うか、若しくはライセンス購入と言う形となり、まずアマチュアがミドルウエアの購入する事は考えられないなどなど、結構ファイルシステムの壁は大きかったのが実情です。
そもそもミドルウエアで購入しても、ソフトウエアの最下層のデバイスドライバは自分で用意する必要が有りますし・・・。
そこでこのAFLATチップを搭載したマイコンボードの出番となるわけです。
このALFATチップを簡単に説明しますと、FAT12、FAT16、FAT32サポート。ディレクトリ構造サポート。各種メディア、SD、MMC(この基板ではサポートしていませんが、CFも接続できます。)のサポートです。 ※但し注意が必要なのは、VFATには対応していない点と、ALFATはイスラエルUSAの会社が開発した製品なので、ファイル名やディレクトリ名に日本語を扱う事はできません。もっともパソコンじゃあないのだからなんでもかんでも出来るなんて事はそれ程重要ではないでしょう。限定的な使い方になってしまいますが工夫すれば不自由はしないと思います。
それ以外では書き込み、読み込みの性能が気になる所ですが、一応公称値で書き込みが最大128Kbyte/秒、平均で35Kbyte/秒です。 読み込みは当然もっと早くて、最大500Kbyte/秒250Kbyte/秒です。
また、実はここが他の製品との差別化になるのかもしれませんが、ファイルの同時オープン数が16まであります。H8とかAVRとかR8Cとかの小さなメモリのマイコン上でソフトウエアでファイルシステムを実現した場合開けるファイル数は・・・、あまり期待はできませんね。
ALFATとマイコンとの接続は、RS232C、SPI、I2Cの何れかの方法を選ぶ事が出来ますが、このマイコンボードではI2Cを選択しました。

次にマイコン側の説明をします。
使用しているマイコンはルネサスのH8/TinyシリーズのH8/3687Fです。 H8/3664Fやトラ技のおまけだったH8/3694Fを使った事のある方なら多いと思いますが、これらTinyシリーズに対してH8/3687Fの場合は、ROM、RAM共に容量が大幅UP(ROM 32Kbyte→56Kbyte、RAM 2Kbyte→4Kbyte)、また汎用ポートもH8/3694F辺りは総PINに対して意外とポートが少なかったりしますが、H8/3687Fには無駄なPINが無く、殆どのPINに何らかの機能が割り当てられている、真の使えるマイコンとなっています。
こういった点からマイコンの選択はH8/3687F以外譲れませんでした。
とまあここまで読んでいただいたなら、かなり高機能なファイルシステムをH8マイコンで取り扱いが可能で、しかもマイコン側のメモリ使用量もかなり抑えれられる為に空いたメモリとCPUパワーを存分にアプリケーションで利用出来そうだぞ!と思われたのではないでしょうか?(この程度の説明では無理か)。
真の実用的なファイルシステムを実装したアプリケーションの一つの回答として、このALFATを利用したマイコンボードをお勧めしているのです。

ALFATが高機能なのは実はとんでもない理由があります。ALFATは今流行りのIP物ではなく、何て事無いALFAT自身がマイコンだからです。フィリップスのARMマイコンLPC2114です。ぶっちゃけた話、メインのマイコンよりも遥かに強力なマイコンでファイルシステムを受け持っちゃって居るわけです( ̄ー ̄)。

マイコンなので当然ソフトウエア(ファームウエア)がこのALFATチップにも搭載されている訳ですが、ファームのアップ方法は物凄く簡単で、メディアに特定のファイル名で新しいファームを入れて起動すれば、自動的にバージョンアップされると言う優れものです。ソフトウエアなので当然バグは付き物ですが、簡単な更新方法が用意されていると言うものこのALFATチップの性能の一つとして数えても良いでしょう。
ではマイコンとALFAT以外の部分にも目を向けてみます。
メディアソケット:
まずカードソケットにはちょっとリッチにプッシュリリースタイプのソケットを選んでみました。
通信コネクタ:
D-SUB 9pinにはメスタイプを使用しています。あまり大きな声で言えませんが、マルツの秋葉原店の斜め向かいの店のキットを利用している方なら結構、オス/メスストレートケーブルを持って居たりするのではないでしょうか。それ、そのまま流用できます。
デバックインタフェース:
オプションですが、アングルタイプの14pin MILコネクタを用意していただければ、E8エミュレータで開発が可能です。
電源:
電源の入力はDCジャックから行います。5V電源をご用意ください。
3LED:
一つは電源のパイロットランプですが、残りはH8の汎用ポートに接続されているだけです。如何様にも利用できます。
RTC:
オプションですがダラスセミコンダクターのDS1629と言うRTCを実装できます。このRTCは単に時計機能だけではなく、時計補正用に使っている温度センサーの値も読み出す事ができますので、簡易的な温度計としても利用できます。 バックアップはリチウム電池(CR2032)で可能です。 別途ホルダー時計用水晶もご用意ください。
キャラクタLCD:
オプションですが16文字×2行のキャラクタLCDを実装できます。これは持っている人多いだろうとの判断で、オプション扱いになっています。手持ちのLCDを実装しても良いですし、勿論マルツさんでもここから購入できます。
4スイッチとリセットスイッチ:
4つのスイッチは汎用ポートに接続されています。H8マイコンのポート5はWKP端子と兼用となっているので、スイッチの入力をSLEEPやスタンバイモードからの復帰にも利用できます。省電力にどうぞ。
あと、デバック時に便利なリセットスイッチも用意しました。
汎用ポートコネクタ:
基板内部で限定的な利用をされていない汎用ポートの殆どをここに引き出してあります。全部で26本の汎用ポートが利用できます。なお基板コネクタはオプション扱いで付属しませんが、このコネクタが利用できます。※必ずしも使わなければいけない理由が無いので、価格を下げる為にもオプションとしています。
アナログ入力ポートコネクタ:
8つのアナログポートの全てをここに引き出してあります。基板コネクタはオプション扱いで付属しませんが、このコネクタが利用できます。※必ずしも使わなければいけない理由が無いので、価格を下げる為にもオプションとしています。
ユニバーサル領域:
簡易的な回路を実装出来るようにユニバーサル領域を用意しました。 しかしこの領域を使う予定が無いのなら、ばっさり切り捨てても良いように、基板取り付け穴をポートコネクタの並びにも用意してあります。ここを切り捨てれば基板サイズは約120mm×100mmとなります。
ブザー:
操作音等を発生させる目的で、圧電スピーカを用意しました。ちょっとでかくて隣のスイッチの操作にやや支障を来たしますが、その辺はご容赦ください。
容易に音を鳴らせるようにTMOV端子に接続してあります。

nice!(0)  コメント(4)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 4

通りすがり

↓これ使えます。例のSH2基板でも動きました。
http://elm-chan.org/fsw/ff/00index_j.html
by 通りすがり (2006-09-27 20:56) 

hamayan

ChaNさんのファイルシステムに付いては知っていました。
精力的に電子工作の作品を発表されていて、私の目標とする人です。もちろん、足元にも及ばないのですが。
このファイルシステムが公開された事で、いままでミドルウエアを販売していたベンダーも販売方法について考えなくてはならなくなるでしょうね。まったくもって素晴らしいです。
随分前に会社でファイルシステムを購入した事があるのですが、デメリットとして上げた点以外に、そのファイルシステム自体にバグが有り、こちらでそのバグを指摘してあげた事などがありました。有償のソフトウエアなら完璧か?とは言えないわけです。

ところでALFATチップ自体の値段は、
http://www.ghielectronics.com/details.php?id=8
1個の値段が約25ドル。新しい48pinバージョンでは14ドルだったりします。
ChaNさんのフリーソフトとは価格では比較にならないかもしれませんが、悪くはないのではないでしょうか。メーカーなので継続的にサポートがある訳ですし。

但し、当然ハードウエアを作成しなければならないです。ヒューマンデータさんではALFATチップとカードソケット及び周辺を実装した基板が販売されていますが、やはりマイコンを含めた回路を作り込む必要が有ります。

まずALFATという物を体験出来る事。さらにある程度の実用性がある事を目指してこの基板を企画しました。
この基板に外付け回路を付ければ、そのままロガーになったり、MP3プレーヤーになるとかですね。
by hamayan (2006-09-27 22:06) 

senshu

待ってました!

実は、FPGA を使って懐かしの 8 ビットパソコンを再現しようとし
ていますが、ファイルシステムは悩みの種でした。ChaN さんの公開
されているファイルシステムも検討していますが、この評価ボード
が安価に販売されれば、購入してみたいと思っています。
by senshu (2006-09-27 22:16) 

hamayan

幾つか記述ミスが有ったので修正しました。
GHIをイスラエルの会社と書いていましたが、拠点はUSAとシリアだそうです。なんでイスラエルと勘違いしていたかな?。なんかあっちの「揉めている方」だったと記憶していたので、短絡的にイスラエルと書いちゃったんだろうけれど。

関係無いけれどイスラエルって優秀な会社多いよね。
最新のデバイスで、元をたどるとイスラエルって事が多いんだよね。
by hamayan (2006-10-07 13:30) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。